【社会保険扶養内の人が2カ月ガッツリ働いた場合、扶養内継続できる人とできない人】
今回は、いただいたご質問をベースに、こんなお話をお届けしたいと思います。
現在、社会保険は世帯主の扶養内で加入している状況の人が、パートやアルバイトで2カ月間ガッツリと働いて収入を得る場合に、扶養内から外れないといけなくなるケースと扶養内を継続できるケースについてお話します。
ガッツリ働くというのは・・・?
まず、ここで言う、ガッツリ働くというのは、収入で月108,333円を超えて・・・という意味です。
なぜ108,333円を超えてなのかは、このFPパパちゃんねるでパート社会保険や扶養内に関する動画をいくつかチェックいただいている方はピンと来ますよね。
世帯主等の扶養内で社会保険に加入できる年収の基準は、一般的には130万円未満だからですよね。
ちなみに、今、「一般的に」と言ったのは、一部例外があるということでもあります。
例えば、国民健康保険組合で、家族が健康保険に加入する場合に、その家族自身の年収に基準がないというケースもあるんですね。
ただ、協会けんぽと言われる全国健康保険協会ですとか、健康保険組合などは、家族を健康保険の扶養に入れる場合は、年収の基準があって、その年収基準が130万円でした。
ですので、一部年収基準がないケースもありますが、一般的には家族を健康保険等に扶養内で加入させようとすると、その家族自身の年収基準として、130万円未満というのがありますので、その年130万円を月換算すると108,333円となるからです。
ですから、月収108,333円を超えて働くなら、年収130万円以上になると見なされて、扶養内で社会保険に加入できなくなるのがまず基本の考え方です。
ここまでよろしいでしょうか。
ただし、普段は月収108,333円未満なのに、たまたま繁忙期等でシフトが多くなったり、残業が発生したりして、月収108,333円を超えると、社会保険の扶養から外れることになるかどうかという話もあります。
雇用契約等含めまして、普段月収108,333円未満で働いている人が、たまたま残業等で月収108,333円を超えたとしても、即、社会保険の扶養内から外れないといけないということはありません。
加入している健康保険にもよりますので、詳細は自身でご確認いただきたいのですが、2カ月までなら、たまたまの残業等で月収108,333円を超えても、3カ月目以降は普段の108,333円未満となるなら、扶養内継続で問題ないですよというところが多いかと思います。
ですので、本日のテーマである、パートやアルバイトで2カ月間ガッツリと働いて収入を得る場合に、扶養内を継続できるケースは、たまたま繁忙期でシフトに多く入ったり、残業をたくさんしたりして108,333円を超えたケースです。
では、パートやアルバイトで2カ月間ガッツリと働いて収入を得る場合に、扶養内から外れないと行けなくなるケースはどんなケースかというとですね。
これは、先ほどの、ある意味、逆のケースです。
たまたま月収108,333円を超えるのではなく、働く時点、雇用契約の時点で108,333円を超える場合です。
例えば、月20万円の収入で、2カ月の雇用期間だったとしますと、2カ月合わせて40万円の収入になりますね。その前は働いていない、その後も働く予定がない場合ですと、年収は40万円となりますね。
社会保険の扶養内年収の基準は130万円未満ですよね。この例だと年収40万円の見込みですから扶養内で行けそうに思いませんか。
いかがでしょうか。
一応、年金事務所にも確認を取りましたが、このケースは扶養からは一度外れてもらうことになるというのが回答でした。
というのは、雇用期間が2カ月であっても月20万円の収入は、年換算すると240万円となり、年130万円以上の見込になるので、扶養内ではいられないとのことなんですね。
たまたま月108,333円を超えるのは仕方ないけど、最初から108,333円を超えるのが分かっている雇用条件で働くなら、扶養からは外れてもらいますよということでした。
ここまでよろしいでしょうか。
そうしますと、きっとこんな質問をいただくことが予想されます。
もし、2カ月の雇用期間で月20万円の収入となる短期のパートやアルバイトをして、扶養内のままでいたらバレますか、バレませんか。バレたらどうなりますか?というご質問。
バレないかもしれないけど、バレるかもしれませんので、社会保険労務士でもある私の立場から言いますと、このケースでは扶養内から外れる申請をする必要がありますよとしか言いようがありません。
また、扶養内から外れる申請をしていなくて、後々バレた場合ですが、例えば、その期間に健康保険とかを使っていたりすると、本来、医療機関での窓口負担が3割の方ですと、残りの7割は健康保険が払っているわけですから、その7割分の請求を受けたりすることはあり得ることですので、お伝えしておきます。
是非、ご参考にしていただければと思います。
ちなみに、今回のような2カ月などの短期のパートやアルバイトでガッツリと働くから扶養内から外れるという際には、社会保険上で留意しておくべき点もありますので、そのお話を最後に少ししておきたいと思います。
今、申し上げたように、扶養内で社会保険に加入できないなら、自身で社会保険に加入する必要が出てきます。
自身でと言いましても、パートやアルバイト先では社会保険に加入できないのが一般的です。
なぜなら、会社が社会保険に入れる場合に、「2カ月以内の期間を定めて使用される人」は被保険者とされない人、つまり社会保険に入れる人ではないというルールがあるんですね。
ですから、2カ月だけの短期パートやアルバイトでは、そのパートやアルバイト先で社会保険に加入することはできないでしょう。
となると、自身で社会保険に加入するのでしたら、健康保険は国民健康保険に加入することになり、20歳以上60歳未満の方は国民年金の保険料の支払いも必要になります。
ちなみに、国民健康保険は前年の収入等によって保険料が異なりますので、具体的な金額をお話しすることができませんが、国民年金の方は令和5年度の保険料が月16,520円です。
扶養内でしたら、こういった社会保険料の負担は必要なかったのですが、扶養から外れることで社会保険料の負担が発生するということですね。
2カ月など短期のパートやアルバイトをガッツリしようかなとお考えの方で、扶養から外れて自身で社会保険に加入することになるケースに該当するなら、こういった社会保険料の負担も考慮に入れて、働くか否か、あるいは月108,333円以上働くのか、未満の働き方にしておくのか、ご判断をいただければと思います。
ということで、本日は、社会保険は世帯主の扶養内で加入している状況の人が、パートやアルバイトで2カ月間ガッツリと働いて収入を得る場合に、扶養内から外れないといけなくなるケースと、扶養内を継続できるケースについて、さらには扶養から外れる場合の社会保険加入に対する保険料負担についてお話をしてきました。
是非、今後の働き方のご参考になさってください。
また、ご質問をいただいた皆様、ありがとうございました。